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VB.NET/C#開発者がXMLドキュメントコメントを使うべき3つの理由

XMLドキュメントコメントを使うべき3つの理由

VB.NET開発者の皆さんは、メソッドやクラスの説明のためのコメントを、どのように書いていますか。

Visual Studioには、XMLドキュメントコメントという機能があります。(Visual Studio 2013 以降)

XMLドキュメントは、IntelliSenceとも連携し、外部ツールでも活用できます。とても便利なので、ぜひ活用しましょう。

従来のやり方

皆さんも、こんなコードを見たことがあると思います。


' **************************
'  関数名: Func1
'  引数:   index  引数の説明
'  返り値:  返り値の説明
' **************************
Public Function Func1(index As Integer) As String

End Function

VB6のコードで、よくありますね。悪夢ですね。。。

XMLドキュメントコメントの付け方

クラスやメソッドの前の行に ''' とタイプするだけです。(半角でシングルクォート'を3つ)

すると自動で、


''' <summary>
''' 
''' </summary>
''' <param name="index"></param>
''' <returns></returns>

等が作られます。

ちなみに、C#の場合は///(半角でスラッシュ/を3つ)です。


/// <summary>
/// 
/// </summary>
/// <param name="index"></param>
/// <returns></returns>

XMLドキュメントコメントを使うべき3つの理由

従来のやり方ではなく、XMLドキュメントコメントを使うべき3つの理由を考えましょう。

理由1. Visual Studio 標準の方法である

標準化された、しかも簡単な方法があるのに、独自のやり方に固執するのは、コードの可読性・互換性・保守性の面で好ましくありません。

素直に、標準の方法を使いましょう。

理由2. IntelliSense に表示される

XMLドキュメントコメントの内容は、IntelliSenceに表示されます。

IntelliSenceに表示される IntelliSenceに表示される

オブジェクトブラウザーにも表示されます。

オブジェクトブラウザーにも表示される

理由3. 外部ツールでソースコードの仕様書を自動作成できる

XMLドキュメントコメントは、コンパイル時にXMLファイルに出力することができます。方法は後述します。

出力されたXMLドキュメントコメントは、Sandcastle、NDoc、Monodoc などの外部ツールを用いて、HTMLファイルやヘルプファイルに加工し、ソースコードの仕様書を作成することができます。。

XMLドキュメントコメントの例

XMLドキュメントコメントは、

  • モジュール
  • クラス
  • メソッド(Sub・Function・Propertyプロシージャ)
  • メンバ変数
  • 列挙型(Enum
  • 構造体(Structure)

などに対して付けることができます。

例を見てみましょう。

モジュール


''' <summary>
''' モジュールの説明
''' </summary>
Module Module1

End Module

クラス


''' <summary>
''' クラスの説明
''' </summary>
Public Class Form1

End Class

Sub・Function・Propertyプロシージャ


''' <summary>
''' Functionプロシージャの説明
''' </summary>
''' <param name="index">引数の説明</param>
''' <returns>返り値の説明</returns>
Public Function Func1(index As Integer) As String

End Function

''' <summary>
''' Subプロシージャの説明
''' </summary>
''' <param name="index">引数の説明</param>
Public Sub Sub1(index As Integer)

End Sub

''' <summary>
''' Propertyプロシージャの説明
''' </summary>
''' <returns>返り値の説明</returns>
Public Property Prop1
  Get

  End Get
  Set(value)

  End Set
End Property

メンバ変数


''' <summary>
''' メンバ変数の説明
''' </summary>
Public Value As String = ""

列挙型(Enum


''' <summary>
''' 列挙型の説明
''' </summary>
Public Enum e_Enum1

End Enum

構造体(Structure)


''' <summary>
''' 構造体の説明
''' </summary>
Structure Structure1

End Structure

コンパイル時にXMLファイルに出力するには

プロジェクトコンパイル時に、ドキュメントコメントをXMLファイルに自動的に出力することができます。

設定を有効にする方法は、以下のとおりです。

1. プロジェクトのプロパティを開く

プロジェクトのプロパティを開くには、以下の2つの方法があります。どちらでもOKです。

  • メニュー「プロジェクト」 →「(プロジェクト名)のプロパティ」
  • ソリューションエクスプローラー → 「My Project」をダブルクリック

2. 「コンパイル」タブ → 「XML ドキュメント ファイルを生成する」をチェック

「XML ドキュメント ファイルを生成する」設定

これで、コンパイル時に出力フォルダに XMLファイルが出力されます。ファイル名は (プロジェクト名).xml です。

まとめ

以上、VB.NET/C#開発者がXMLドキュメントコメントを使うべき3つの理由と、使い方でした。

せっかく Visual Studio標準の、こんな便利な機能がありますので、ぜひ活用しましょう。

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