プロ入りから1年たった藤井聡太四段に、NHKが行ったインタビューが公開されています。 中学生とは思えない受け答えと、彼の深い考えが読み取れる、素晴らしいインタビューです。
今回は、このインタビューから、プロ棋士にとっての将棋上達論を考えます。
3回にわたって、藤井聡太四段のインタビューから書きました。
藤井聡太四段のインタビューを読んで: (1)頭の中に盤面なしで手を読む - TotalTech
藤井聡太四段のインタビューを読んで: (2)将棋の上達方法は確立されていない? - TotalTech(この記事)
藤井聡太四段のインタビューを読んで: (3)藤井四段は序盤研究家になるか - TotalTech
Q
竜王や名人への挑戦に向けて、どんな努力が必要?
A
まず一番には、もっともっと実力をつけることだと思っています。強くなるための方法論は将棋においては確立されていないように思うので、試行錯誤してやっていくことになるかなと思います。
藤井聡太四段は、「強くなるための方法論は将棋においては確立されていないように思う」と述べています。
これは、どういうことでしょうか。
プロ棋士の将棋の上達方法
もちろん、将棋の上達方法として、
の3つが大切であることは、昔から知られています。
しかし、プロ棋士がさらに「強くなる」ためには、自分なりに試行錯誤してやっていかなくてはならない、ということです。
野球やサッカーなどの競技人口の多いスポーツでは、フィジカル・メンタルのトレーニングは、豊富な経験と実績から、ある程度理論化されています。 その上で各自が理論に基づいて努力を積んでいます。
それとは異なり、将棋の上達のためのトレーニング方法や理論は、まだ確立されていない、ということを藤井聡太四段は述べているのだと思います。
近年は将棋ソフトの飛躍的な進歩に伴い、プロ棋士も将棋の研究にソフトを取り入れなければついていけないのげ実情です。 そうした変化も、上達の方法が未だ確立されていないと感じる要因の一つなのでしょう。
アマチュアレベルでは
もちろん、ここで藤井聡太四段が述べているのは、プロ棋士、さらに言えばトップ棋士がより「強くなるための方法論」です。 アマチュアレベルでは、前述の3つ(詰将棋・実戦・棋譜並べ)をしっかりやっていくことが、まず大切です。
ある程度のレベルまでは、
が、上達につながります。
まとめ
以上、藤井聡太四段のインタビューを読んで: (2)将棋の上達方法は確立されていない? でした。
高い次元での将棋上達論について、考えさせられます。
中学生とは思えない、トップ棋士と渡り合うプロとしての深い考えが読み取れる、素晴らしいインタビューです。 まだ読んでいない方は、ぜひ全文読んでみて下さい。
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