Windowsに慣れた人や上級者は、コマンドプロンプトをよく使います。いろいろな処理や設定を、マウス操作よりも早く便利に行えるからです。
しかし、コマンドプロンプトはパソコンの専門家でなければ使えないものではありません。初心者でも、コマンドプロンプトの操作に慣れて、ステップアップすることができます。コマンドプロンプトには、簡単な処理を行ったり、基本的な情報を表示するコマンド(命令)がたくさんあります。
では、コマンドプロンプトとは何か、ということから始めて、どのようにコマンドプロンプトを使えるか、見てゆきましょう。コマンドプロンプトのフォント変更方法もまとめました。
コマンドプロンプトとは
コマンドプロンプトとは、キーボードでコマンド(命令)を入力することによってWindowsの操作や設定をおこなうためのツールです。エクスプローラーやコントロールパネルで行えることを、コマンド入力によって行えます。 コマンドプロンプトの実体は、cmd.exe というプログラムです。
起動方法
以下のいずれかの方法でコマンドプロンプトを起動することができます。
- スタートメニュー の「アクセサリ」→「コマンド プロンプト」
- スタートメニュー で cmd.exe を検索
- Windowsキー + R (ファイル名を指定して実行) → cmd.exe
フォント変更
コマンドプロントのデフォルトのフォント(MS ゴシック)は、あまり見やすいものではありません。それで、フォントを変更することをおすすめします。
見やすいフォントにすると、コマンドプロンプトがもっと使いやすくなりますよ。
設定は簡単ですが、レジストリを変更するので、注意して操作してください。
1. レジストリエディタを起動
Windowsキー + R (ファイル名を指定して実行) → regedit
2. [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Console\TrueTypeFont] を開く
3.「新規」→「文字列値」で、"932"という値を追加
すでに存在する場合は、"932.1"、"932.2" などとします。これらが、コマンドプロンプトのフォント選択画面に表示されます。
4. 右クリック→「修正」で、値を追加したいフォント名にする
フォント名は、コントロールパネル → フォント で確認できます。
5. レジストリエディタを閉じる。コマンドプロンプトのタイトルバーを右クリック→「プロパティ」
6. 「フォント」タブで、追加したフォントを選択 →「OK」
これで、フォントが変更されました。
色々なコマンド
フォルダを移動
最も基本的なコマンドcd
を使います。Change Directory の略でcd
です。このコマンドは、カレントフォルダ(現在のフォルダ)を変更します。使い方は、cd (移動先のパス)
です。
ルートフォルダ(現在のドライブの直下)は\
で表します。cd \
とすれば、ルートフォルダに移動できます。
他のドライブのフォルダに移動する場合は、/d
オプションを付けます。cd /d C:\Windows
などです。
ドライブを移動
CドライブからDドライブに移動するなど、他のドライブに移動する時は、ドライブ名を直接入力します。例えば、D: と入力すれば、Dドライブに移動できます。
フォルダの中身を表示
カレントフォルダ(現在のフォルダ)の中身を表示するには、dir
コマンドを使います。Directory の略です。表示したいフォルダを移動したら、dir
と入力します。
dir (表示するフォルダ)
とすれば、他の場所のフォルダの中身を表示することができます。
フォルダを作成
コマンドプロンプトで新しいフォルダを作成するには、mkdir
コマンドを使います。Make Directory の略です。
使い方は、mkdir (フォルダ名)
です。
新しいフォルダは、カレントフォルダに作成されます。それで、自分がどのフォルダにいるかをよく確認しましょう。
ファイル・フォルダの名前を変更
名前を変更するには ren
コマンドを使います。Rename の略です。
使い方は、ren (元の名前) (新しい名前)
です。
ファイル・フォルダをコピー
コピーするには、copy
コマンドを使います。
使い方は、copy (元の名前) (新しい名前)
です。
ファイルを削除
フォルダを削除するには、del
コマンドを使います。Delete の略です。
使い方は、del (ファイル名)
です。
フォルダを削除
空のフォルダを削除するには、rd
コマンドを使います。Remove Directory の略です。フォルダが空でないと使えません。
使い方は、rd (フォルダ名)
です。
画面をクリア
画面をクリアするには、cls
コマンドを使います。Clear Screen の略です。
画面表示が多くなって見づらいと感じたら、cls
と入力しましょう。
コマンドプロンプトを閉じる
コマンドプロンプトを閉じるには、exit
コマンドを使います。
コマンドプロンプトの他の使い方
外部プログラムを起動
コマンドプロンプトから外部のプログラムを起動するには、プログラム名を入力します。
IPアドレスを表示
IPアドレスや他のネットワーク情報を表示するには、ipconfig
コマンドを使います。
pingを送信する
pingを送信するには、ping
コマンドを使います。
使い方は、ping ホスト名
またはping IPアドレス
です。
余談: COMMAND.COM とは
cmd.exe (コマンドプロンプト) の前は、COMMAND.COM というプログラムがありました。Windowsが登場する前、MS-DOSでは、COMMAND.COMが標準画面でした。COMMAND.COMは、Windows 9x系 (Windows 95, 98, 98SE, Me) に、「DOSプロンプト」という名前で搭載されていましたが、後にcmd.exeにとって替わりました。
cmd.exeは多くの点でCOMMAND.COMから改善されています。見てすぐ分かる違いは、8.3形式でないファイル名をサポートすることです。COMMAND.COMでは、"My Documents" というフォルダ名は “MYDOCU~1” と切り詰められていました。一方cmd.exeは “My Documents” という名前をそのまま扱うことができます。
まとめ
以上、Windowsコマンドプロンプトの使い方入門(フォントの変更方法も)でした。
コマンドプロントが使えるようになると、パソコン初心者から中級者にステップアップですね。
ぜひ、活用してみて下さい。