将棋を見ていると、チェスクロックとかチェスクロック方式という言葉を耳にします。
将棋なのにチェスクロック? 一体どんな時計?
今回は、そんな持ち時間計測方法の話です。
対局時計(チェスクロック)とは
対局時計とは、将棋・チェス・囲碁などで用いられる、対局時間を表示し管理する時計のことです。チェスクロックとも言います。
1台のチェスクロックには2つの時計があり、対局者双方の持ち時間が表示されます。
自分の手番の時は自分の側の時計が進み、相手の時計は止まっています。
チェスクロックの上部には対局者双方のボタンがあり、自分が一手指した後、自分の側のボタンを押します。すると、自分の時計が止まり、相手の時計が動き出します。
誰がボタンを押すの?
将棋のプロ公式戦では、記録係がボタンを押し、基本的に対局者が自分で押すことはありません。
チェスでは、正解チャンピオン同士の対極でも、対局者自身がボタンを押します。
面白いですね。
- 将棋: 記録係が押す
- チェス: 対局者が自分で押す
どっちの手でボタンを押すの?
対局者が自分でボタンをおす場合は、基本的に、「着手した手」でボタンを押すことになっています。
そうしないと、着手完了前にボタンを押してしまったりすることがあるためです。
チェスクロックはどちら側に置くの?
チェスなどでは、審判員が置き場所を決定します。
利き手の側に会ったほうが、有利なわけです。つまり、右利きの人は普通、右手で駒を動かすので、右側にチェスクロックがあると有利です。反対側にチェスクロックがあると、手を大きく動かしてボタンを動かさないといけません。
特に、終盤の持ち時間が少ない時には、チェスクロックが利き手の側にあるかどうかが大きく影響してきます。
将棋の持ち時間の計測方法
将棋では、ストップウォッチ形式とチェスクロック方式の2つの持ち時間計測方法があります。
以前は全てストップウォッチ形式でしたが、最近は徐々にチェスクロック方式の対極が増えています。
ストップウォッチ形式とは
ストップウォッチ形式とは、実際に消費した時間から、1分未満を切り捨てる方式です。
1分45秒で指した場合、1分としてカウントされます。
極端な話、毎回 59秒で指し続けた場合、何十手指しても消費時間は全く減らないことになります。
チェスクロック方式とは
チェスクロック方式とは、実際に消費した時間を秒単位で記録していく方式です。
時間を計測する時計(対局時計)をチェスクロックと呼びます。
1分45秒で指した場合、1分45秒としてカウントされます。
どのくらいの差があるのか
当然、チェスクロック方式のほうが、持ち時間の消費が早くなります。1手平均30秒ほど早くなる計算です。
将棋の平均終局手数は120手前後ですから、ストップウォッチ形式に比べて平均1時間ほど早く終わることになります。
プロ公式戦
棋戦(シリーズ)ごとに、持ち時間の規定は異なります。
では、将棋のプロ公式戦の持ち時間計測方法を見てみましょう。
タイトル戦
将棋界には、8つのタイトル戦があります。その内、2017年に始まった叡王戦のみチェスクロック方式です。
順位戦
2016年から、B級2組以下はストップウォッチ形式からチェスクロック方式に変更になりました。
対局を早く終わらせて、日をまたぐ対局を減らし、記録係の負担を軽くする目的です。
深夜に対局が終わると、そこから感想戦が始まり、記録係の仕事が終わるのが夜中の2時・3時になることもあります。負担を少しでも減らすために、チェスクロック奉仕引きに変更されました。
A級・B級1組は現在も、ストップウォッチ形式です。
NHK杯
テレビ放送されるNHK杯は、予選・本線ともにチェスクロック方式です。
チェスクロック(対局時計)ってどこで買えるの?
答: Amazonで買えます。
将棋好きなら一つ買っても良いかもしれませんね。真剣勝負の時や、長考ぐせのある方と対局する時にも役立ちそうです。
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まとめ
以上、将棋なのにチェスクロック? 持ち時間計測方法について、でした。
チェスクロックが分かると、持ち時間の仕組みがクリアになりますよ。